めにまね
Total1325710 7days2267 Yesterday0362 Today0026 IP check in 15 min Since 2002-04-15

Jamp to Navigation


猫と鈴(立ち読み版)§2

 はかとない甘い声の意味に、理樹は唯湖の太ももにつけている頬が急に赤らんでいくのを感じた。
「逃げ帰る必要はない、よね」
「その通りだ」
 振り仰ぐと、頭上の山脈が大きく上下していた。唯湖の呼吸が荒いのが手に取るようにわかる。
 もちろん、自分もだ。
 すごく、重いんだよな。
 頭にのせられた乳房が歪んで沈む感触をしみじみと思い出す。こんなに大きなものが頭の上にのっていればそれは重いだろう。
 さわったら、どんな感じだろう。
「理樹君……」
「ご、ごめんなさい!」
 理樹はいつのまにかのばしかけていた腕を慌てて下げた。唯湖は軽く咳払いすると、
「いや、そ、それはかまわんのだが……姿勢が、苦しいのではないかと思ってな」
「えっ、と、とくに」
「そうか……ならいいんだが」
 いいんだ。
 あらためて下から手をのばすと、シャツを通して掌の先が重いものをゆさり、と持ち上げた。理樹の腕に電撃が走る。思ったより固い。なぜだろうと力を入れると意に反して軽く指先が滑る。
「ブラをつけているからな」
「なるほど」
 なにがなるほどなのかわからなかったが、ジョーゼットの布地から透けるボールを突き上げるように軽く揺すぶってみた。なんという重量感。ウエイトトレーニングが出来そうだ。
 我を忘れておっぱいリフティングを繰り返したあげく、理樹はようやく唯湖の表情に気づいた。
「えっと、なに」
「いや、なんだがな……」
 らしくもなく言いよどむ姿が新鮮だった。
「理樹君の、スラックスがな。苦しそうだなと」
 いきり立ったものを指された理樹は慌てて股間を押さえて丸くなる。その拍子に頭が唯湖の太ももから外れ、ベッドの下に転がり落ちた。
「おい、理樹君」
「ててててっ……」
 唯湖は苦笑しながら理樹を引き上げた。
「大丈夫かね、性的な意味で」
「大丈夫、だと思う」
 理樹は股間を片手で隠しつつ内股で立ち上がった。
「やっぱりしょうがないなあ理樹君は」
 唯湖が苦笑する。
「だって急に変なこと言うから」
「変なことをしていたのはお互い様だろう、ほら」
 唯湖はもともと上を開けたままのシャツのボタンを外した。シフォンジョーゼットの布地がはらりと落ちると、むっちりとした肉塊がフルカップの黒いブラジャーの合間からはじけ飛びそうだった。これは反則だ。イエローカードだ。二つあるからレッドカードで退場しちゃえばいいよ。
 単純計算で外回り百十五センチあるということになる。膨らんだ球の表面をなぞったらどれだけになるのだろう。
 おまけに妙に白い肌にはうっすらと血管が浮いている。
 正直、たまりません。
 理樹は素直に思った。今この場で唯湖に何もしないでいられるのは筋肉旋風中の真人くらいに違いない。謹厳実直な謙吾だって躊躇うくらいはするだろう。
 もちろん理樹に躊躇う理由はない。だって二人は恋人同士だし。「ほら」って言ってるし。それはつまり、そういうことな訳で。
 疑問はいつの間にか霞の彼方に消えていた。
「理樹君、見るのは構わんがお互い公平にいこうじゃないか」
「えっ、何か」
 夢遊病のようにまた手を伸ばしかけていた理樹ははじかれたように大きく腕を回した。
「キミが私の胸を見たいように、私もキミの隠しているものが見たいな」
「それは……脱げということ?」
「どうせこれから脱ぐんだろう? なんなら私が脱がしてやろうか。うん、その方が私らしいかもしれないな」
「いえ、いいです! 脱ぎます! 脱がさせてください!」
 いつのまにか敬語になりながら理樹は慌ててシャツを脱いだ。上半身裸になったところで様子をうかがうと、唯湖は不満そうな顔をして、
「わかっていると思うが――」
「そ、それはおいおいということで……」
「ま、いいだろう。後々の楽しみも大事だからな」
 おいで、と手招きされて理樹はおそるおそる純白の双球に手を伸ばし直した。はち切れそうな黒いブラは、理樹の目から見ても相当凝ったデザインで、高級品か外国製であることをうかがわせる。触れるとレース編みの複雑な刺繍越しに触れた重さをずしりと感じ取った。
「外していい?」
「もちろんだとも」
 驚くほど大きいブラなのに、フロントホックだった。理樹は胸の谷間に差し込む指を震わせながら、
「さすが来ヶ谷さん、用意周到だね」
 と強がって見せた。
「乙女心と言ってもらいたいね」
「うん、わかってる。すごく、嬉しいよ」
 思い切って膨らみの谷間にぐっと指を入れると、ホックはぱちんと小さな音を立ててはじけ飛んだ。
 ブルン! と音がした気がした。巨大なブラでさえ包み切れていなかったビーチボールのような乳球が左右にはじけ飛んだ。
「うはっ」
 理樹は一瞬乳房にはじき飛ばされるのではないかと錯覚して身体を退いた。もの凄い迫力だった。
「これが……来ヶ谷さんの、おっぱい」
 頭に乗せられたり、背中に押しつけられたりしていた巨大な質量の正体に理樹は陶然とした。薄く汗ばんだ白くて柔らかそうな丘陵が重力に逆らうようにぐっと盛り上がり、先端近くから急にRを小さくすると同時に薄く乳輪が色付いていく。それが紅葉のように乳首にいくに従ってしっかりと色がのり、乳首の先はぷくりと膨らみつつもしっかりした存在感を見せていた。
 ぶっちゃけ、すごい。
 なんだかよくわからないけどごめんなさい。
 とりあえず闇雲に謝ってみた。
 来ヶ谷さんは美人でゴージャスな割にはもてると言うより恐れられてる感じだけど、きっと隠れファンは沢山いる。そんなみんなを差し置いちゃっていいんだろうか。
 アンバランス寸前の爆乳と乳輪のバランスは正直よくわからなかった。大きすぎるということはないけど、房のヘタみたいなおまけという感じでもない。きっとナイスバランスなんだろうと判定してみた。
「どうだ、理樹君」
「すごいね」